マウスピース矯正中にホワイトニングは可能?併用メリット・リスク・おすすめの方法を徹底解説

「マウスピース矯正中でもホワイトニングってできるの?」「同時にやるとリスクはない?」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、マウスピース矯正とホワイトニングは併用可能です。
ただし、治療の進行状況や薬剤の使用方法によっては、注意が必要なケースもあります。

本記事では、マウスピース矯正中にホワイトニングができる理由や注意点、具体的な方法までを歯科の専門知識をもとにわかりやすく解説。さらに、ホームホワイトニング用マウスピースの活用方法やケアのコツも紹介しています。

歯並びと白さの両方を手に入れたい方にとって、効率的かつ安心して取り組める情報をお届けします。

この記事でわかること
  • マウスピース矯正中にホワイトニングは可能か?
  • 矯正とホワイトニングを同時に行うメリット
  • 併用する際の注意点とリスク
  • ホワイトニングの種類と選び方
  • 白さを長持ちさせるケアのコツ

目次

マウスピース矯正中にホワイトニングはできる?

マウスピース矯正

マウスピース矯正中でもホワイトニングは可能です。
特に、矯正用マウスピースは、取り外しができるため、ホワイトニング剤を併用しても問題なく使用できます。

また、ホームホワイトニング用のジェルを既存の矯正用マウスピースに入れて使用することも可能です。マウスピースは1日22時間以上の装着が推奨されていますが、短時間のホワイトニング処置であれば矯正への影響はほとんどありません

ただし、ワイヤー矯正の場合は注意が必要です。
ブラケットやワイヤーが歯面を覆っているため、ホワイトニング剤が均等に行き渡らず、色ムラのリスクが高くなります。矯正の種類や進行度によって適応が異なるため、必ず事前に歯科医師に相談するようにしましょう。

マウスピース矯正とホワイトニングを同時に行うメリット

時間を効率よく使える

矯正とホワイトニングを同時に進めることで、治療期間を有効活用できます

マウスピース矯正は通常2〜3年かかる長期治療ですが、ホワイトニングは早ければ数日〜数週間で効果を実感できることも。別々に行うよりも、短期間で理想の歯並びと白さを手に入れやすくなります。

忙しい方や、イベント・面接など目標時期がある方にとっては特に効率的な選択肢です。

追加費用を抑えられる

通常、ホームホワイトニングを始める際には専用のマウスピースを新たに作製する必要があります。
しかし、矯正中であれば既存の矯正用マウスピースをそのまま使用できるため、装置の作製費がかかりません。

また、マウスピースのフィット感も高く、薬剤が歯全体にしっかり行き渡りやすいというメリットもあります。一つの装置で矯正とホワイトニングを兼ねられるという点で、コストパフォーマンスにも優れた方法と言えるでしょう。

マウスピース矯正とホワイトニングを併用する際の注意点

マウスピース矯正とホワイトニングを同時に行うことは可能ですが、安全かつ効果的に進めるためには事前に知っておくべきポイントがあります。以下の4つの注意点をしっかり理解したうえで、治療を計画しましょう

1. 色ムラが発生するリスクがある

矯正中のホワイトニングでは、歯の表面に薬剤が均等に届かず、色ムラが生じるリスクがあります。
とくに、歯の重なりや「アタッチメント(歯の表面に付ける矯正用の突起)」がある場合、ホワイトニング剤が浸透しにくく、仕上がりにムラが出やすくなります。

また、歯並びが完全に整っていない段階では、薬剤が行き渡る範囲にも偏りが出る可能性があります。

対策としては、歯並びがある程度整ったタイミングでホワイトニングをスタートするのが理想的です。
必ず歯科医師と相談し、ベストな開始時期を見極めましょう。

2. 痛みや知覚過敏が出る可能性がある

矯正治療中は、歯や歯茎が敏感になっている状態です。
そのため、ホワイトニング剤の刺激によって知覚過敏や一時的な痛みが出ることがあります。

特に、矯正開始直後やマウスピースの交換直後は痛みが出やすく、無理にホワイトニングを続けると不快感が強まる可能性があります。

  • 痛みを軽減するには
  • 硝酸カリウム入りの知覚過敏用歯磨き粉を使う
  • フッ素配合製品でエナメル質を補強する
  • 歯科医師に相談して一時的に中断・スケジュール調整する

無理せず、自分の状態に合った進め方を選ぶことが大切です。

3. 追加費用がかかる可能性がある

矯正とホワイトニングを併用する場合、ホワイトニングジェル代や再診料などの追加費用が発生するケースがあります。
また、色ムラの修正やホワイトニングの再実施が必要になる場合には、さらにコストがかさむことも。

  • 参考価格(目安)
    ホームホワイトニング:2〜4万円
  • オフィスホワイトニング:2〜5万円
  • デュアルホワイトニング:5万円前後

事前に見積もりを確認し、不明点は遠慮せずに歯科医師へ質問しておくと安心です。「トータルでいくらかかるか」まで明確にしておきましょう。

4.成長期の歯には注意が必要(未成年の場合)

未成年の方や、永久歯が生えそろったばかりの方がホワイトニングを行う場合は慎重な判断が必要です。

成長途中の歯や歯茎は柔らかく、ホワイトニング剤による刺激が発育に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、エナメル質が未成熟な状態では、知覚過敏や痛みが強く出やすくなります。

未成年のホワイトニングを検討する場合は、必ず歯科医師に相談し、タイミングや方法をしっかり判断してもらいましょう。

矯正中でも使えるホワイトニングの種類と特徴

マウスピース矯正中でもホワイトニングは可能です。

特に取り外し式のマウスピースであれば、薬剤の塗布や専用ジェルの使用がしやすく、併用しやすいホワイトニング方法が複数あります。

ここでは、矯正中でも安全に取り入れられる代表的なホワイトニング方法を3つご紹介します。

それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を見つけましょう。

1.オフィスホワイトニング|短期間で白くしたい方に

オフィスホワイトニングは、歯科医院で受けられる医療機関専用のホワイトニングです。
高濃度の薬剤と特殊な光照射を併用することで、1回の施術でも効果を実感しやすいのが特徴です。

  • 特徴:即効性が高く、短期間で白さを実感できる
  • おすすめの人:結婚式や面接など、期限が決まっているイベントがある方
  • 注意点:知覚過敏が出やすい/費用はやや高め(2〜7万円程度)

施術は歯科医師または歯科衛生士が担当するため、安全性を重視したい方にも適しています。

2. ホームホワイトニング|自然な白さをじっくり目指す方に

ホームホワイトニングは、自宅で自分のペースで行えるホワイトニングです。
低濃度のジェルを、専用のマウスピースに注入し、一定時間装着して徐々に白くしていきます。

  • 特徴:ゆっくり作用するため、自然な仕上がりに
  • おすすめの人:自宅でじっくりケアしたい方/ナチュラルな白さを求める方
  • 費用目安:マウスピース作製+薬剤で約1.5万〜4万円

矯正中の場合は、すでに使用しているマウスピースをホワイトニングにも活用できることが多いため、新たな装置の作製が不要な場合もあります。

ただし、効果を得るには継続使用が前提となるため、こまめな習慣化ができる方におすすめです。

3. デュアルホワイトニング|即効性+持続力を求める方に

デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた方法です。
歯科医院でまず高濃度の施術を受けて即効性を確保し、その後、自宅でホームホワイトニングを続けることで白さを長くキープします。

  • 特徴:白さが長持ちしやすく、見た目にも満足度が高い
  • おすすめの人:短期間で結果を出しつつ、白さを維持したい方
  • 費用相場:5〜8万円程度と比較的高額

1〜2年ほど白さが持続する場合もあり、効果重視でホワイトニングを検討したい方に適した方法です。費用対効果のバランスを見ながら、歯科医師と相談のうえで導入を検討しましょう。

ホームホワイトニング用マウスピースの正しい選び方

ホームホワイトニングを安全かつ効果的に行うには、使用するマウスピースの“精度”と“フィット感”が非常に重要です。
市販品と歯科医院で作成するマウスピースには大きな違いがあり、誤った選択をするとホワイトニング効果が得られないばかりか、口腔トラブルの原因になることもあります。

ここでは、ホームホワイトニング用マウスピースを選ぶ際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

市販のマウスピースはなぜおすすめできない?

市販されているホワイトニング用マウスピースは、誰でも簡単に入手できる反面、以下のようなリスクやデメリットがあります。

  • ❌ フィット感が悪く、薬剤の浸透にムラが出やすい
    既製サイズのマウスピースは、個人の歯型に合わせて作られていないため、薬剤が均一に行き渡らず、色ムラや効果不足の原因となります。
  • ❌ 薬剤漏れによる刺激や痛みのリスク
    フィットが甘いと、ホワイトニングジェルが歯茎や喉に漏れやすく、粘膜の火傷や知覚過敏のトラブルにつながる恐れがあります。
  • ❌ 結果的にコストパフォーマンスが悪くなることも
    効果が出にくいためジェルの消費量が増えたり、やり直しが必要になったりと、長期的に見るとコストが高くなることも少なくありません。

そのため、安全性と効果の両方を重視するなら、歯科医院でオーダーメイドのマウスピースを作るのがベストです。

矯正用マウスピースやリテーナーも代用できる?

現在マウスピース矯正中、または保定装置(リテーナー)を使用している方は、「これってそのままホワイトニングにも使えるのでは?」と思われるかもしれません。結論としては、条件付きで代用可能な場合もあります。

代用可能なケース

  • 矯正用マウスピースは、個人の歯列に合わせて設計されているため、ホワイトニングジェルを注入して使えるケースが多いです。
  • リテーナー(保定装置)も、密着度が高ければホームホワイトニング用として活用可能なことがあります。
⚠ 使用前に確認すべきポイント
  • 素材が薬剤の使用に耐えられるかどうか(一部のプラスチック素材は変質する恐れあり)
  • 形状的に薬剤が均等に広がるか(凹凸が多いとムラになりやすい)

代用を考えている場合は、必ず事前に歯科医師に相談し、安全性と適合性を確認しましょう。
必要であれば、矯正用マウスピースとは別に、ホワイトニング専用のマウスピースを作成してもらうという選択肢も検討できます。

ホームホワイトニング用マウスピースの費用と比較

ホームホワイトニングを検討する際、最も気になるのが「費用」ですよね。ここでは、歯科医院で作成するマウスピースの費用や、オフィスホワイトニングなど他の方法との比較を通じて、どの方法が自分にとってコスパが良いかを整理しておきましょう。

歯科医院で作るマウスピースの費用目安

ホームホワイトニング用のマウスピースは、基本的に歯科医院で個別に作成するオーダーメイドタイプです。

マウスピースの作成費用の相場

 約15,000〜40,000円程度(歯型採取・調整費用込み)
ホワイトニングジェル(初回分):10,000〜20,000円程度
総額の目安(初回):25,000~50,000円前後

この費用には、個々の歯型にぴったり合う精密な作製やフィッティングのサポート、使用方法の指導などが含まれており、仕上がりの満足度や安全性にもつながります。

ホームホワイトニングと他の方法のコスパ比較

ホワイトニングには主に3つの方法があります。それぞれの費用・効果・持続性を比較して、どの方法が自分のライフスタイルに合っているかを見極めましょう。

方法 費用の目安 効果の出る早さ 持続期間 特徴
ホームホワイトニング 約25,000〜50,000円 2週間〜1か月 半年〜1年程度 自然な白さ
自宅でケア可能
マイペースで進めたい方に最適
オフィスホワイトニング 約30,000〜70,000円(1回) 即日〜数日 3〜6か月程度 即効性重視
イベント前におすすめ
知覚過敏が出やすい傾向あり
デュアルホワイトニング 約50,000〜80,000円 数日〜数週間 1年以上持続も 即効性+持続性の両立
効果重視派におすすめ

価格帯だけでなく、効果の出方や持続期間、ライフスタイルとの相性を考えて選ぶことが、後悔しないポイントです。

どんな人にホームホワイトニングが向いている?

以下のような方には、ホームホワイトニングが特におすすめです。

  • 自宅で自分のペースでホワイトニングしたい方
  • 自然でナチュラルな白さを目指したい方
  • 費用を抑えつつ、長期的なケアをしたい方
  • 通院の時間がとりづらい方

反対に、「短期間で一気に白くしたい」「イベントまでに仕上げたい」という方は、即効性の高いオフィスホワイトニングやデュアルホワイトニングを検討すると良いでしょう。

ホームホワイトニング用マウスピースを長く使う4つのコツ

ホームホワイトニング用のマウスピースは、正しくケアすれば長期間にわたって快適に使用できます。
傷や変形を防ぎながら、効果を維持するためのポイントを以下にご紹介します。

1. 使用後はすぐに洗浄する

使用後は、ホワイトニングジェルの残りや唾液をそのままにしないことが重要です。放置すると雑菌が繁殖し、マウスピースの変色や臭いの原因になります。

  • 使用後はすぐに流水で丁寧に洗い流す
  • やさしく指でこすって汚れを除去

清潔な状態を保つことで、マウスピースの劣化を防ぎ、口内トラブルのリスクも軽減できます。

2. 専用の洗浄液やブラシを使う

毎日の洗浄には、研磨剤入りの歯磨き粉はNGです。表面に細かな傷がつき、フィット感が悪くなったり、薬剤漏れの原因になることも。

  • 専用のマウスピース洗浄液を使用
  • 柔らかめの歯ブラシor専用ブラシでやさしくブラッシング

※熱湯消毒は変形の原因になるため避けましょう。

3. 高温や直射日光を避けて保管する

マウスピースは熱に弱く、高温や直射日光で変形する可能性があります。

  • 車内や洗面所など高温になる場所に放置しない
  • 通気性があり直射日光の当たらない場所に保管する
  • 専用ケースに入れて保護するのがベスト

形が変わると薬剤の効果が不均一になり、色ムラの原因にもなります。

4. 定期的に歯科医師にチェックしてもらう

マウスピースは使い続けるうちに、変形・劣化・フィット不良が起こることがあります。違和感やゆるみを感じたら、自己判断せずに歯科医院へ相談を。

  • 3〜6ヶ月ごとにチェックを受けると安心
  • 長期使用で劣化がある場合は、再作製も検討

定期的な確認により、ホワイトニングの効果を最大限に保ちつつ、安全性も確保できます。

マウスピース矯正中のホワイトニングでよくある質問

マウスピース矯正中にホワイトニングを併用する際、患者さんからよくいただく質問をQ&A形式でまとめました。治療に関する不安や迷いを解消し、安心して進めるためのヒントとしてお役立てください。

保定期間中にホワイトニングはできますか?

はい、保定期間(リテーナー装着期間)はホワイトニングに適したタイミングとされています。

この時期は歯列が安定しているため、色ムラや知覚過敏のリスクが比較的少なく、ホワイトニング効果も出やすい状態です。

また、リテーナーをそのままホワイトニング用マウスピースとして使用できるケースもあり、追加の装置作成が不要になることもあります。

ただし、一部のリテーナーは薬剤の使用に適さない素材や形状の場合もあるため、必ず歯科医師に確認しましょう。

ホワイトニングが難しい矯正方法はありますか?

あります。特に注意が必要なのはワイヤー矯正(ブラケット矯正)です。
ブラケットが歯の表面を覆うため、ホワイトニング剤が均等に行き渡らず、色ムラが生じるリスクが高くなります。

一方、以下の矯正方法は比較的ホワイトニングと併用しやすいとされています:

  • マウスピース矯正
  • 裏側矯正(リンガル矯正)

ただし、マウスピース矯正でもアタッチメント(歯の表面につける突起)が影響することがあります。併用を考えている方は、自分の装置が適しているかどうかを歯科医師に相談するのがベストです。

ホワイトニングの効果を長持ちさせるにはどうしたらいい?

ホワイトニングの効果を長く保つためには、毎日のケアと生活習慣の見直しがポイントです。

    ▷白さを維持するための習慣
  • 着色しやすい飲食物(コーヒー・紅茶・赤ワイン・カレーなど)を控える

    飲むときはストローを活用し、歯に直接触れにくくする
    食後すぐに水でうがい or 歯磨きを習慣化する
    定期的に歯科医院でクリーニングやメンテナンスを受ける

とくに着色汚れ(ステイン)は日常生活で少しずつ蓄積されるため、日々のちょっとした意識が効果の持続につながります。

まとめ|歯並びと白さを同時に叶えるなら、正しい知識と相談がカギ

マウスピース矯正中でも、ホワイトニングは安全に併用することが可能です。
矯正用マウスピースを活用すれば、追加の装置を作る必要がないため、時間と費用を効率的に使えるのが大きな魅力です。

ただし、色ムラや知覚過敏、費用面などの注意点もあるため、自分の症例や目的に合わせてホワイトニング方法を選ぶことが大切です。
オフィス・ホーム・デュアルの各ホワイトニングの特徴を理解し、矯正の進行状況や歯科医師のアドバイスをもとに、無理のないプランを立てましょう。

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