「まだ20代なのに、歯の神経を抜かなければいけません」
歯医者さんで突然そう告げられ、頭が真っ白になっていませんか?
「神経を抜くって、どういうこと?」「将来、この歯は一体どうなってしまうの?」と、痛みだけでなく、将来への大きな不安でいっぱいになっているかもしれません。
若いからこそ、自分の歯を失うことへの恐怖は計り知れませんよね。
結論から言うと、20代で歯の神経を抜く(抜髄)ことは、決して珍しいことではありません。
そして、適切な治療と、その後の正しいケアを行えば、その歯を長く使い続けることは十分に可能です。
この記事では、歯科専門家の視点から以下を解説します。
- なぜ20代で歯の神経を抜く事態になるのか
- 神経を抜くことの本当のメリットとデメリット
- あなたの歯の寿命を1年でも長くするための具体的な方法
あなたの不安を希望に変えるための全知識を解説します。
なぜ20代で歯の神経を抜くことに?最大の原因は「進行した虫歯」
「毎日ちゃんと歯磨きしていたのに、なぜ?」「まだ若いのに…」と、ご自身の状況に納得がいかないかもしれません。
結論として、20代で歯の神経を抜く(抜髄)ことになる最大の原因は、自分では気づかないうちに、歯の内部で虫歯が神経(歯髄)にまで達してしまったことにあります。
虫歯が進行する速さには、歯磨き習慣や唾液の性質、食生活などの要因が大きく関わります。
ここでは、なぜ自覚症状がないまま、神経を抜くほど虫歯が進行してしまうのか、その理由を詳しく解説します。
見た目は小さな穴でも、中で虫歯が大きく広がっているケース
歯の表面に見える虫歯が、ほんの小さな黒い点や線であっても、それが神経を抜く治療の入り口になることは決して珍しくありません。
その理由は、虫歯の広がり方にあります。
歯の表面は硬いエナメル質で覆われていますが、虫歯菌がそのエナメル質を突破すると、その内側にある柔らかい象牙質で爆発的に広がる性質を持っています。
特に奥歯の溝など、入り口は針のように小さくても、歯の内部ではアリの巣のように大きく深く広がっていることがあるのです。
そのため、「こんな小さな虫歯で?」と驚くようなケースでも、レントゲンを撮ってみると、すでに虫歯が神経のすぐ近く、あるいは神経にまで達しており、神経を抜く治療(抜髄)が必要と診断されることがあります。
痛みを感じる「C2」から、激痛を伴う「C3」への進行
神経を抜く事態に至るもう一つの大きな理由は、虫歯が「はっきりとした痛みを感じにくい段階」を経て進行することにあります。
虫歯は、その進行度によってC0〜C4のステージに分類されます。
- C1(エナメル質う蝕):
痛みはほぼない。 - C2(象牙質う蝕):
冷たいものや甘いものが少ししみる程度で、我慢できる痛みであることが多い。
問題は、この「C2」の段階で「痛くないから大丈夫」と放置してしまうことです。
この期間に、虫歯菌は着実に歯の内部へと侵攻を続けます。
そして、ついに虫歯が神経(歯髄)にまで達し、炎症を起こすと「歯髄炎(しずいえん)」となり、何もしなくてもズキズキと脈打つような激痛を伴う「C3」の状態になります。
この段階になると、炎症を起こした神経を残すことは極めて困難となり、痛みを取り除くために神経を抜く治療が必要になるのです。
つまり、激しい痛みを感じた時点では、すでに手遅れになっているケースが多いのです。
外傷(歯をぶつけるなど)で神経が死んでしまうことも
虫歯だけが原因ではありません。
20代はスポーツやアクティブな活動が盛んな時期ですが、その際に歯を強くぶつけるなどの「外傷」も、神経を抜く原因となり得ます。
例えば、部活動や転倒などで前歯を強く打撲すると、その衝撃で歯の根や周囲の組織がダメージを受けます。
ぶつけた直後は少し痛む程度で、見た目にも変化がないかもしれません。
しかし、数ヶ月から数年という長い時間をかけて、歯の内部で神経がゆっくりと死んで(壊死して)しまうのです。
死んでしまった神経は腐敗し、感染源となって歯の根の先に膿の袋を作ったり、歯が黒っぽく変色してきたりします。
この感染した組織を取り除き、歯を保存するために、神経を抜く治療(根管治療)が必要になります。
歯の神経を抜くメリット・デメリット。20代で知るべき歯の寿命への影響
「神経を抜く」と聞くと、漠然と「歯に悪いのでは?」と感じますよね。
結論から言うと、その感覚は正しく、歯の神経を抜くことには、痛みがなくなるという大きなメリットと、歯の将来に大きく関わるデメリットの両方が存在します。
なぜなら、歯の神経(歯髄)は痛みを感じるだけの組織ではなく、歯に栄養や水分を供給し、歯を健康に保つための「生命線」だからです。
20代という早い段階でこの生命線を失うことが、将来の歯の寿命にどう影響するのか。後悔しないために、メリットとデメリットを正しく理解しておきましょう。
メリット:つらい痛みから解放される
歯の神経を抜く治療(抜髄)における最大のメリットは、何と言っても「耐え難いほどの激しい痛みから解放される」ことです。
虫歯が神経にまで達して炎症を起こす「歯髄炎」になると、何もしなくてもズキズキと脈打つように痛んだり、夜も眠れないほどの激痛に襲われたりします。
この痛みの根本原因は、歯の内部で炎症を起こしている神経そのものです。
そのため、原因である神経を取り除くことで、つらい痛みを劇的に解消することができるのです。
これは、歯を残すための最終手段であり、痛みを我慢し続けるよりも、ご自身の生活の質(QOL)を保つために必要な治療と言えます。
デメリット①:歯がもろくなり、割れやすくなる(歯根破折のリスク)
神経を抜くことによる最大のデメリットは、歯がもろくなり、将来的に割れてしまうリスク(歯根破折)が格段に高まることです。
歯の神経は、歯に栄養や水分を送り届ける水道管のような役割を担っています。
神経を抜くとこの供給がストップするため、歯は徐々に水分を失って乾燥し、弾力性が失われてしまいます。
その結果、食事中の硬いものを噛んだ瞬間や、歯ぎしり・食いしばりなどの強い力によって、歯の根にヒビが入ったり、真っ二つに割れてしまったりする「歯根破折(しこんはせつ)」を起こしやすくなるのです。
歯根破折を起こした歯は、残念ながらそのほとんどが抜歯となります。
根管治療が終われば、被せ物の治療を行いましょう。
デメリット②:歯が黒っぽく変色してくる
神経を抜いた歯は、数ヶ月から数年という時間をかけて、徐々に黒っぽく、あるいは茶褐色に変色する可能性があります。
これは、歯に栄養を送っていた血液の循環がなくなることで、歯の内部にある象牙質の代謝が止まり、古い組織が変性してしまうために起こります。
特に前歯の神経を抜いた場合、周りの健康な歯との色の違いが目立ちやすく、見た目(審美性)の面で大きなデメリットとなり得ます。
この変色は歯の内部からのものなので、通常のホワイトニングでは白くすることが難しいのが特徴です。
デメリット③:虫歯が再発しても気づきにくくなる
歯の神経は、虫歯ができた際に「しみる」「痛い」といった症状で危険を知らせてくれる「警報装置」のような役割も果たしています。
神経を抜くと、この警報装置が機能しなくなります。
そのため、治療後に被せ物(クラウン)の中で再び虫歯(二次カリエス)ができて進行しても、痛みを感じることがなく、気づかないまま放置されがちです。
そして、被せ物が突然取れたり、歯が大きく崩れてしまったりして、気づいた時には手遅れ(抜歯せざるを得ない状態)になっているケースが非常に多いのです。
【重要】神経を抜いた歯の寿命は短くなる?
ここまでのデメリットを読むと、「神経を抜いたら、もうその歯は長くないの?」と絶望的な気持ちになるかもしれません。
結論として、統計的に見れば神経を抜いた歯は、健康な歯に比べて寿命が短くなる傾向にあるのは事実です。
研究データによって差はありますが、神経のある歯とない歯では、将来的に歯を失うリスクが高い言われています。
主な原因は、これまで述べてきた「歯根破折」と「虫歯の再発」です。
しかし、これは決して「すぐに抜歯になる」という意味ではありません。
適切な根管治療を受け、もろくなった歯を補強するための精度の高い被せ物(クラウン)を装着し、そして何より定期的な歯科検診とクリーニングを欠かさず行いましょう。
正しい処置を行えば、その歯を数年〜十数年、場合によっては生涯にわたって使い続けることは十分に可能です。
20代という早い段階でこの事実を知り、これからのケアを徹底することが、あなたの歯の未来を守る上で最も重要なのです。
「根管治療」とは?神経を抜く治療の流れと期間、費用を解説
「神経を抜く」と一言で言っても、具体的に何をされるのか分からず、怖いイメージばかりが先行してしまいますよね。
結論から言うと、歯の神経を抜く治療は「根管治療(こんかんちりょう)」と呼ばれ、歯の内部を徹底的に清掃・消毒して、歯そのものを保存するための精密な治療です。
なぜなら、感染した神経を取り除くだけでなく、再び細菌が入り込まないように歯の内部を無菌化することが、その歯の将来を左右するからです。
ここでは、治療の具体的な流れや期間、費用について解説しますので、正しい知識で不安を解消していきましょう。
治療の流れ①:麻酔〜神経の除去(抜髄)
治療の最初のステップは、痛みの原因である炎症を起こした神経(歯髄)を取り除くことです。
まず、治療する歯の周りにしっかりと局所麻酔をしますので、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、強い痛みがある場合、神経は敏感になっているため、麻酔が効かない場合があります。
麻酔が効いたことを確認した後、歯を削って神経までの小さな穴を開けます。
そして、「ファイル」や「リーマー」と呼ばれる、非常に細い専用の器具を使い、歯の根の中にある神経を丁寧に取り除いていきます。
この処置を「抜髄(ばつずい)」と呼びます。
治療中は、お口の中に唾液などが入らないよう、ゴムのシート(ラバーダム)で歯を隔離することがあり、これにより安全で清潔な治療が可能になります。
治療の流れ②:根管内の洗浄・消毒と薬の充填
神経を取り除いた後の歯の根の中(根管)は、空洞になっています。
この空洞を可能な限り無菌状態にし、隙間なく密閉することが、根管治療で最も重要で時間のかかるステップです。
なぜなら、髪の毛のように細く複雑な形をした根管の中に少しでも細菌が残っていると、将来的に再び炎症を起こし、治療のやり直しや抜歯につながるからです。
歯科医師は、専用の器具と消毒液を使って、根管の壁を少しずつ削りながら、隅々まで何度も洗浄・消毒を繰り返します。
根管の中が完全に綺麗になったことを確認できたら、「ガッタパーチャ」と呼ばれるゴムのような材料や「MTAセメント」などの材料薬剤を隙間なく詰め、細菌が再び入り込むのを防ぎます。
この処置を「根管充填(こんかんじゅうてん)」と言います。
治療にかかる期間と回数の目安
根管治療は、歯の内部を無菌化するという非常に精密な治療のため、1回で終わることはほとんどなく、複数回の通院が必要になります。
痛みが取れたからといって、途中で通院をやめてしまうと、根管内が再び細菌に感染し、全てがやり直しになってしまうため、必ず最後まで治療を完了させましょう。
- 治療回数:
歯の状態や根管の数(前歯は少なく、奥歯は多い)によりますが、一般的に3回〜5回程度が目安です。 - 治療期間:
週に1回の通院で、約1ヶ月〜2ヶ月程度かかることが多いです。 - 1回の治療時間:
30分〜60分程度です。
根管治療にかかる費用はどのくらい?
「神経を抜く治療は高額なのでは?」と心配になるかもしれませんが、根管治療そのものは、健康保険が適用される治療です。
費用は治療する歯の場所(根管の数)によって異なりますが、3割負担の場合のおおよその目安は以下の通りです。
治療する歯 | 根管治療にかかる費用の目安(3割負担) |
前歯(根管が1本) | 約2,000円 〜 4,000円 |
小臼歯(根管が1〜2本) | 約3,000円 〜 6,000円 |
大臼歯(根管が3〜4本) | 約4,000円 〜 10,000円 |
【重要】 上記の費用は、あくまで歯の根の中を綺麗にして薬を詰めるまで(根管治療)の費用です。
この後、もろくなった歯を守るために必須となる土台(コア)や最終的な被せ物(クラウン)の費用は別途必要になります。
被せ物の費用については、次の章で詳しく解説します。
神経を抜いた後の歯を守るために。被せ物(クラウン)とメンテナンスの重要性
根管治療が無事に終わると、ひとまず安心しますよね。
しかし、結論から言うと、神経を抜いた後の歯の寿命は、その後の処置とケアで決まると言っても過言ではありません。
なぜなら、神経を失った歯は、いわば「守りが手薄になった城」のような状態だからです。
この城を将来にわたって守り抜くためには、頑丈な「鎧(よろい)」となる被せ物(クラウン)と、継続的な「見張り」である定期検診が不可欠になります。

20代のあなたの決断が、その歯と40代、50代、さらにその先まで付き合えるかを左右するのです。
なぜ被せ物が必要?もろくなった歯を補強する鎧の役割
根管治療を終えた歯には、多くの場合、歯をすっぽりと覆う形の被せ物(クラウン)が必須となります。
その理由は、前の章で解説した通り、神経を抜いた歯は栄養や水分の供給が絶たれ、枯れ木のように非常にもろく、割れやすくなってしまうからです。
根管治療のために歯を削っていることもあり、歯の強度は大幅に低下しています。
この状態で、日々の食事や無意識の歯ぎしり・食いしばりなどの強い力がかかると、歯の根が「ポキッ」と折れてしまう(歯根破折)リスクが非常に高まります。
一度折れてしまった歯は、ほとんどの場合、抜歯するしかありません。
この最悪の事態を防ぐため、歯全体を覆って補強し、強い力から歯を守る「鎧」や「ヘルメット」の役割を果たすのが、被せ物なのです。
保険と自費の被せ物、何が違う?20代の選択
被せ物には、健康保険が適用されるものと、適用されない自費(自由診療)のものがあります。
20代という若い年代だからこそ、それぞれのメリット・デメリットを理解し、将来を見据えた選択をすることが重要です。
保険の被せ物 | 自費の被せ物 | |
主な材料 | 金属(銀歯)、CAD/CAM冠(白いプラスチック) | セラミック、金歯・ジルコニアなど |
メリット | 費用が安い | ・見た目が天然の歯のように美しい・汚れがつきにくく、虫歯が再発しにくい・耐久性が高く、変色しにくい・金歯の場合、硬すぎず歯を痛めにくい |
デメリット | ・見た目が目立つ(銀歯)・経年劣化で変色や摩耗が起こる・歯との間に隙間ができやすく、虫歯再発のリスクが高い | 見た目が目立つ(金歯) |
20代にとって、自費の被せ物は大きな経済的負担に感じるかもしれません。
しかし、精度の高い自費の被せ物は、虫歯の再発リスクを低減し、結果的に歯の寿命を延ばすことにつながるという側面もあります。
見た目の美しさだけでなく、将来的な再治療のリスクや費用も考慮に入れ、歯科医師とよく相談して、ご自身が納得できる選択をすることが後悔しないための鍵です。
治療が終わってからが本当のスタート。定期検診の必要性
根管治療を終え、綺麗な被せ物が入ると、「これで治療は完了!」と思いがちです。しかし、実はここからが、その歯を生涯守るための本当のスタートです。
神経を抜いた歯にとって、最も重要なのが定期的な歯科検診です。
なぜなら、神経を抜いた歯は虫歯が再発しても「痛い」という警告サインを出してくれない「沈黙の臓器」になってしまうからです。
被せ物の下で気づかないうちに虫歯が静かに進行し、ある日突然被せ物が取れたり、歯が折れたりして、発見された時には手遅れで抜歯、というケースが後を絶ちません。
この悲劇を避ける唯一の方法が、プロによる定期的なチェックです。
数ヶ月に一度の検診で、レントゲン撮影や専門家によるチェックを受けることで、自覚症状のない初期の虫歯や、被せ物の不具合を早期に発見できます。
定期検診こそが、神経を抜いた歯の寿命を最大限に延ばすための、最も確実で効果的な方法なのです。
早速歯科医院で診てもらいたい方は、全国の歯科クリニックからあなたにピッタリの歯科が見つかる「歯科まもる予約」もご利用ください。
20代で歯の神経を抜くことに関するよくある質問(Q&A)
20代で歯の神経を抜くと宣告され、治療について具体的な疑問や、誰にも聞けないような素朴な不安を抱えている方も多いでしょう。
「痛いのは嫌だ」「できれば抜きたくない」という切実な悩みについて、専門家としてQ&A形式でお答えします。
正しい知識は、あなたの不安を和らげる一番の薬です。
Q1. 神経を抜く治療は、すごく痛いですか?
A1. いいえ、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありませんので、ご安心ください。
多くの方が最も心配されるのが治療中の痛みですが、現在の歯科治療は痛みを最小限に抑える工夫がされています。
だし痛みの程度は個人差があります。
- 治療中:
まず、歯の周りにしっかりと局所麻酔を効かせます。
麻酔が効いていれば、神経を抜く処置(抜髄)の最中に痛みを感じることはほぼありません。
むしろ、治療前まであなたを苦しめていたズキズキとした激しい痛みは、神経を取り除くことで解消されます。
- 治療後:
麻酔が切れた後、数日間は治療の刺激による痛みや、噛んだ時の違和感が残ることがあります。
しかし、この痛みは処方される痛み止めで十分にコントロールできる範囲がほとんどです。
もし痛みが長引く、強くなる場合は、我慢せずに歯科医院に連絡しましょう。
Q2. 神経を抜かずに済む可能性はありますか?
A2. 歯科医師が「神経を抜く必要がある」と診断した場合、残念ながらその可能性は極めて低いのが現実です。
歯科医師は、できる限り歯の神経を残す努力をします。しかし、それでも神経を抜くという判断に至ったのは、神経の炎症がすでに手遅れの状態(不可逆性歯髄炎)にある可能性が高いからです。
この状態の神経を無理に残そうとすると、以下のようなリスクがあります。
- 痛みが治まらず、結局後から神経を抜くことになる。
- 歯の内部で神経が壊死し、根の先に膿が溜まるなど、より深刻な問題を引き起こす。
ごく初期の炎症の場合、「MTAセメント」などの特殊な薬剤で神経を保護し、温存を試みる治療法もありますが、適応できるケースは限られます。
神経を抜くのは、その歯を将来にわたって保存するための、現時点で最善かつ最終的な選択であるとご理解ください。
Q3. 前歯の神経を抜く場合、見た目はどうなりますか?
A3. 長期的には歯が黒っぽく変色する可能性があり、見た目を回復させるための優れた治療法があります。
特に人目につきやすい前歯の神経を抜く場合、見た目の変化は大きな心配事ですよね。
デメリットの章で解説した通り、神経を抜いた歯は時間と共に黒ずんできます。
しかし、その審美的な問題に対して、以下のような解決策があります。
ウォーキングブリーチ
→ 歯の内部に漂白剤を入れて、内側から歯を白くする方法です。ご自身の歯を削らずに白さを取り戻せるのが最大のメリットです。
ラミネートベニア
→ 検査を受け、歯の表面を削らない方法か、薄く削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付ける方法です。歯の色や形をきれいに整えることができます。
セラミッククラウン
→ 歯全体を覆うセラミック製の被せ物です。変色してしまった歯を完全にカバーし、天然の歯と見分けがつかないほど自然で美しい見た目を再現できます。
どの方法が最適かは、歯の状態やご予算によって異なります。
変色が気になってきたら、歯科医師と相談し、あなたに合った審美治療を選択することが可能です。
まとめ:20代の決断が将来の歯を守る。不安は専門家と一緒に解決しよう
この記事では、20代で歯の神経を抜くことになったあなたの、将来への不安や治療への疑問について、詳しく解説してきました。
結論として、若くして神経を抜くという経験は、あなたの歯の将来を左右する重要なターニングポイントです。
しかし、それは決して絶望的な宣告ではありません。
正しい知識を持ち、信頼できる専門家と共に行う適切な治療と、その後のケアこそが、あなたの歯を未来へとつなぐ鍵となるのです。
後悔しないために覚えておくべき重要ポイント
あなたの歯の寿命を1年でも長くするために、これだけは必ず心に留めておいてほしい重要なポイントを、最後にまとめました。
- 神経を抜くのは「歯を守るため」の最終手段
治療は、歯を失うという最悪の事態を避けるための、現時点で最善の選択です。つらい痛みを取り除き、歯そのものを保存するために必要なステップだと理解しましょう。 - 歯の寿命は「治療後のケア」で決まる
神経を抜いた歯はもろくなる、という事実は変わりません。個人差はありますが、精度の高い被せ物でしっかり補強し、定期検診を欠かさず行うことで、その歯を数年〜十数年単位で使い続けることは十分に可能です。 - 被せ物(クラウン)は妥協せず、納得できる選択を
歯を守る鎧となる被せ物は、見た目だけでなく、虫歯の再発リスクや歯の寿命に直結します。費用面も含め、歯科医師とよく相談し、ご自身の将来にとって最善だと思える選択をしてください。 - 治療の完了が「本当のスタート」
神経を抜いた歯は、問題が起きても痛みで知らせてくれません。自覚症状のないトラブルを早期発見できる唯一の方法が、プロによる定期検診です。
信頼できる歯科医院探しは「歯科まもる予約」で。納得できる治療を受けよう
「神経を抜く」という重要な治療を任せる歯科医院は、慎重に選びたいですよね。「説明に納得できない」「質問しにくい雰囲気だったらどうしよう」と、医院選びで悩んでしまうこともあるでしょう。
そんな、あなたの不安な気持ちに寄り添い、納得できるまで丁寧に説明してくれる、信頼できる歯科医院探しをサポートするのが、「歯科まもる予約」です。
20代の今、あなたが下す決断が、10年後、20年後のあなたのお口の健康を大きく左右します。一人で抱え込まず、まずは専門家に相談することから始めませんか。
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