「歯茎が白くてぶよぶよしている…」「痛みはないけど、これって放っておいて大丈夫?」
鏡を見たときに歯茎の異変に気づき、不安になったことがある方は多いのではないでしょうか。
歯茎が白くぶよぶよしている状態は、口腔内のトラブルや病気のサインである可能性があります。
原因によっては自然に治ることもありますが、放置してしまうと歯を失うリスクにもつながるため注意が必要です。
- 歯茎が白くぶよぶよする代表的な原因
- 自宅でできる改善方法
- 受診が必要なタイミングや注意点
- やってはいけない行動
- 健康な歯茎を取り戻すためのセルフケア
違和感のある歯茎を「そのまま」にせず、正しい知識とケアで口元の健康を守りましょう。
歯茎が白くぶよぶよする4つの主な原因

歯茎が白くぶよぶよと腫れる症状には、いくつかの代表的な原因があります。
見た目だけでなく、歯や顎の健康に影響を与える疾患が隠れていることもあるため、早期の見極めと対応が重要です。
ここでは、歯茎の白いぶよぶよに関係する5つの主要な原因を順に解説します。
歯周病の進行
貧血を伴う歯周病(ししゅうびょう)です。一般的な、歯周病は歯茎が赤く腫れてぶよぶよした状態です。鉄分や栄養不足になると、血流不全から歯茎が白くなり、細菌への抵抗力が弱くなるため歯周病が悪化します。
- 初期は自覚症状が少なく、気づきにくい
- 悪化すると赤く腫れ、出血や口臭の原因に
- 放置すると歯がぐらついたり、最悪抜ける可能性も
早期であれば栄養管理、ブラッシング指導や歯石除去で改善しますが、進行している場合は医科と歯科医院での治療が必要です。
重度のむし歯による感染
放置されたむし歯が進行すると、歯の根(根管)にまで炎症が広がり、周囲の歯茎に腫れが出ることがあります。
- 歯茎がぶよぶよして膿が溜まる
- 歯の根にズキズキとした痛みを感じることも
- 口臭や発熱を伴う場合もあり、要注意
この場合は、根管治療や抜歯など、専門的な処置が必要となるケースも。早めの受診が重要です。
親知らずによる歯茎の腫れ
親知らずが生える際、周囲の歯茎を圧迫して炎症が起こり、ぶよぶよと腫れることがあります。
- 痛みを伴うことが多く、物が当たるとズキッとする
- 部分的に白く変色したように見えることも
- 埋伏(まいふく)型の親知らずでも成長と共に同様の症状が出ることがある
特に奥歯の清掃が難しく、細菌が繁殖しやすいため、症状が続くようなら親知らずの抜歯を検討することもあります。
歯茎にできた口内炎
意外と多いのが、歯茎にできた口内炎による腫れや白さです。
ストレスや栄養不足、物理的な刺激(歯ブラシの当たりすぎなど)によって引き起こされます。
- 小さな白い斑点や水ぶくれが特徴
- 触るとピリッと痛みがある
- 通常は数日〜1週間で自然治癒する
ただし、繰り返す・治りが悪い場合は別の疾患の可能性もあるため注意が必要です。
腫瘍などのまれな病変
まれではありますが、歯茎の白くぶよぶよした腫れが、腫瘍の初期症状であることも。
- 良性腫瘍・悪性腫瘍(口腔がん)などさまざまな可能性
- 初期は無痛で進行することが多い
- 徐々に大きくなる・硬くなるなどの変化に注意
2週間以上治らない場合や、しこりがある・色が変わっている場合は、口腔外科での精密検査が必要です。
歯茎の白いぶよぶよを改善する7つの方法
歯茎の白くぶよぶよとした状態は、口腔内の炎症や不衛生な環境が原因になっていることが多く、日常のセルフケアによって改善が期待できるケースもあります。
ここでは、歯茎の症状を悪化させず、改善に向けて自宅で取り組める7つのケア方法をご紹介します。
1. 丁寧なブラッシングで歯垢を除去
歯茎のぶよぶよの原因の多くは、歯垢(プラーク)による細菌の繁殖です。
そのため、まずは歯と歯茎の境目を中心に、正しいブラッシング習慣を身につけることが大切です。
- 毛先が柔らかめの歯ブラシを使用
- 歯と歯茎の境目に45度で当てる
- 優しい力で小刻みに動かす
- 食後1日3回、1回10分を目安に丁寧に磨く
力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまうため、「なでるように」磨くのがコツです。
2. 歯間ブラシやデンタルフロスを併用する
歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間の汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスで除去しましょう。
- 歯間ブラシは隙間の大きさに合ったサイズを選ぶ
- フロスは歯の側面に沿わせて上下に優しく動かす
- 歯茎を傷つけないよう、無理に押し込まない
これらの補助器具は、毎日のブラッシング後に使うのがおすすめです。継続的に使うことで、歯茎の炎症予防にもつながります。
3. 殺菌効果のある洗口液で口内を清潔に保つ
洗口液(マウスウォッシュ)は、ブラッシングだけでは落としきれない細菌を洗い流す補助的なアイテムとして有効です。
- 使用の目安は1日2回(朝・就寝前)
- アルコールフリーの低刺激タイプがおすすめ
- 口内に20~30秒含み、しっかりうがいする
炎症がある場合は、殺菌・抗炎症成分が含まれたタイプを選ぶと良いでしょう。
4. 冷やして腫れを抑える
歯茎の腫れが強い場合は、患部を冷やすことで症状が緩和されることがあります。
- タオルに包んだ保冷剤 or 氷水で冷やしたタオルを頬に当てる
- 直接氷を口に入れるのは避ける
- 1回15分、1日3〜4回が目安だが急性期(1〜2日)のみ
※冷却は一時的な対処法であり、根本治療にはなりません。歯科受診も並行して検討しましょう。
5. 歯茎マッサージで血行を促進する
歯茎の血流を促すことで、細胞の修復・免疫力の向上が期待できます。
- 毛先の柔らかい歯ブラシで、歯茎の表面を軽くマッサージ
- 歯と歯茎の境目にブラシを45度に当てて小刻みに動かす
- 強すぎない力で、1日1回行う
マッサージは、唾液の分泌を促進し、口内の自浄作用を高める効果もあります。
6. バランスの取れた食生活で歯茎の回復をサポート
体の内側からも歯茎をケアするために、ビタミン・ミネラル・たんぱく質を意識的に摂取しましょう。
食品群 | おすすめ食材 | 期待される効果 |
---|---|---|
緑黄色野菜 | ほうれん草、にんじん、ブロッコリー | 抗酸化作用・ビタミン補給 |
たんぱく質 | 魚、肉、大豆製品 | 組織修復・免疫力向上 |
発酵食品 | ヨーグルト、納豆、味噌 | 腸内環境の改善・免疫サポート |
噛みごたえのある食材 | れんこん、きのこ類 | 唾液分泌の促進・口腔環境の改善 |
偏食を避け、「よく噛む」ことも歯茎の健康維持につながります。
7. 定期的な歯科検診で早期発見・早期ケア
セルフケアだけでは限界があるため、定期的に歯科医院でチェックを受けることが最も確実な対処法です。
- 目安は「半年に1回」の定期検診
- 歯垢・歯石の除去、炎症部位の確認
- 症状がある場合は早めの受診を
ぶよぶよが1週間以上続く・痛みや出血がある場合は、放置せず受診をおすすめします。
歯茎の白いぶよぶよに注意!避けるべき3つの行動

歯茎が白くぶよぶよしていると、つい気になって触れたり、自己判断で処置してしまいたくなるかもしれません。
しかし、間違った対処をすると症状を悪化させてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
ここでは、歯茎がぶよぶよしているときに絶対に避けるべき3つの行動を解説します。
歯茎を強く押さない|炎症悪化のリスク
気になる部分を指や舌で押したくなる気持ちはわかりますが、歯茎を強く押すことはNGです。
- 圧力によって歯茎がさらに傷つく
- 炎症部分に細菌が入り込み、悪化する可能性
- 一時的に痛みが和らいでも、根本的な改善にはならない
特にぶよぶよが腫れや膿を伴っている場合は要注意です。歯茎を刺激すると、炎症が広がり腫れや痛みが増すリスクがあります。
違和感があっても、触らずに歯科医院で診察を受けるのが最も安全な対応です。
自己判断で潰さない|感染リスクが高まる
歯茎にできた白い膿や水ぶくれのようなものを見て、「自分で潰したら治るのでは」と考える方もいますが、これは非常に危険な行為です。
- 潰すことで細菌が傷口から侵入しやすくなる
- 周囲の健康な歯茎まで傷つけてしまうリスク
- 炎症が広がり、より複雑な治療が必要になることも
膿の排出は、清潔な環境・正しい方法でのみ行う必要があります。
「膿を出した方が良さそう」と感じたとしても、必ず歯科医師の診断と処置を受けましょう。
放置してしまう|症状が進行する恐れあり
「痛みがないから大丈夫」「そのうち治るだろう」と自己判断で放置してしまうのは、最も避けたい行動です。
歯茎の白いぶよぶよは、
- 貧血を伴う歯周病
- 放置されたむし歯の感染拡大
- 親知らずの炎症
- まれに腫瘍や重大な病気のサインであることも
軽度の炎症ならセルフケアで改善することもありますが、1週間以上続く/腫れが大きくなる/痛み・出血・口臭があるといった場合は、放置せず受診を。
「様子を見る」は、時に症状を長引かせてしまう原因になることがあります。
歯茎の白いぶよぶよが治らない!歯科医院の受診が必要なサインは?
歯茎の白くぶよぶよした症状は、すべてが緊急性の高い状態とは限りません。
しかし、場合によっては口腔内の病気や炎症が進行しているサインであり、歯科医院での適切な処置が必要になるケースもあります。
ここでは、「受診したほうがよい」と判断できる代表的な症状を紹介します。
以下のようなサインが見られた場合は、早めの受診をおすすめします。
1週間以上、症状が改善しない
歯茎の腫れやぶよぶよが続いているのに、毎日の丁寧な歯磨きやセルフケアをしても改善しない場合は、単なる一時的な炎症ではない可能性があります。
- 貧血を伴う歯周病
- 歯根の感染(根尖性病巣)
- 歯茎の中で進行している炎症
など、歯科医院でのクリーニングや投薬が必要になるケースも多いため、1週間を目安に受診を検討しましょう。
痛みや出血を伴う
歯茎の白いぶよぶよに加えて、
- 噛んだときの痛み
- 歯磨き時の出血
- 食事中の違和感
などがある場合は、炎症や感染が進行しているサインです。
これらの症状がある場合、放置すると歯周組織が破壊され、歯のぐらつきや喪失リスクにつながることもあります。
「痛くないから大丈夫」とは限らないため、早めの診察が安心です。
口臭が強くなったと感じる
- 「最近、口のニオイが気になる」
- 「人から口臭を指摘された」
…そんなときは、歯周病が進行している可能性があります。
歯茎のぶよぶよに加え、口臭が強くなる場合は、細菌が繁殖しやすい環境ができている証拠。
この状態を放っておくと、炎症がさらに広がり、治療が複雑になる恐れもあります。
自覚がある・家族に指摘された場合には、迷わず歯科医院へ。
見た目や感触に「異常」を感じたとき
- 歯茎にしこりがある
- 徐々に大きくなっている
- 一部分だけ白く変色している
- 指で触れるとブヨブヨ・プヨプヨして違和感がある
こうした変化は、歯周病や炎症性病変だけでなく、まれに腫瘍などの病気が潜んでいることもあります。
2週間以上続くようなら、口腔外科のある歯科医院や大学病院での精密検査を検討してください。
歯茎の白いぶよぶよについてよくある質問
歯茎が白くぶよぶよした状態に気づいたとき、「これって自然に治る?」「痛くないけど放置して大丈夫?」など、さまざまな疑問が浮かぶものです。
ここでは、読者の不安を解消するために、歯科医師の見解をもとにした代表的な質問とその答えをまとめました。
Q1. 歯茎のぶよぶよは自然に治ることもありますか?
軽度の炎症や口内炎が原因の場合、数日〜1週間程度で自然に改善することもあります。
特にブラッシング不足や一時的な栄養不足、免疫低下が原因であれば、丁寧な歯磨きや休養で回復する可能性があります。
ただし、1週間以上症状が続く/悪化する傾向がある場合は、歯周病などの病気が進行している恐れがあるため、自己判断せず歯科医院の診察を受けることが重要です。
Q2. 痛みがない場合は様子見でいいですか?
痛みがなくても油断は禁物です。
歯周病の初期段階や、親知らずの炎症、口腔内の腫瘍などは、初期にはほとんど痛みを伴わないことがあります。
そのため、「ぶよぶよしてるけど痛くないから放置していい」という判断はリスクがあると言えます。
違和感や変化を感じたら、痛みの有無にかかわらず歯科で相談するのが安心です。
Q3. 市販薬で治せますか?
市販の軟膏や洗口液は、一時的な炎症や腫れを抑える目的で使用されることはありますが、根本治療にはなりません。
- 一時的な口内炎
→ 炎症を鎮める薬で様子見可 - 歯周病・膿の溜まり・親知らずの炎症
→ 市販薬では対応不可
3日以上使用しても症状が改善しない場合、必ず歯科医院での診断と治療を受けましょう。
Q4. 親知らずが原因の場合、抜歯が必要ですか?
親知らずが原因で歯茎がぶよぶよと腫れている場合、繰り返すようであれば抜歯が推奨されることもあります。
- 痛み・腫れ・ぶよぶよを繰り返す
- 歯磨きがしにくく、細菌がたまりやすい
- 手前の歯に影響を与えている
これらに当てはまる場合、親知らずを抜歯することで炎症の根本原因を取り除ける可能性が高まります。
まずは歯科医院でレントゲン撮影を含めた検査を受け、専門医の判断を仰ぎましょう。
Q5. 歯周病以外の病気のサインの可能性もありますか?
はい。歯茎のぶよぶよには、歯周病以外にも以下のような原因が潜んでいる場合があります。
- 口内炎(アフタ性・ウイルス性など)
- 良性または初期の悪性の腫瘍
- 口腔がんの初期症状(白いしこりや硬い感触を伴う場合)
2週間以上続くぶよぶよ/見た目の変化が強い/急激に大きくなるといった症状がある場合は、口腔外科での精密検査を検討することが重要です。
まとめ|歯茎の白いぶよぶよは早めの対処がカギ
歯茎が白くぶよぶよする症状は、歯周病・むし歯・親知らずの炎症・口内炎・腫瘍など、さまざまな原因が考えられます。
中には自然に治るケースもありますが、症状が長引く/痛みや口臭を伴う/違和感が強いといった場合は、早めに歯科医院を受診することが重要です。
日々のセルフケア(ブラッシング・フロス・食生活)を見直しながら、自己判断に頼りすぎず、専門家に相談する意識を持ちましょう。
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