「リップクリームを塗っても、薬を塗っても、口角の切れが全然治らない…」
「何度も繰り返すこの口角炎、もしかして、ただの肌荒れじゃないのかも?」
そのように感じて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。
その直感は、正しいかもしれません。
多くの口角炎は乾燥や一時的な不調が原因ですが、中には体の中に隠れた病気が、「口角炎」という形でSOSサインを送っているケースがあるのです。
この記事では、単なる口角炎と「病気のサイン」である危険な口角炎との見分け方をはじめ、口角炎を引き起こす可能性のある具体的な病気について、専門家の視点から詳しく解説していきます。
「たかが口角炎」と放置して、重大な病気の発見が遅れることのないように。
ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の健康状態を見つめ直すきっかけとしてください。
【結論】治らない口角炎はビタミン不足や内臓の病気のサインかも
唇の両端(口角)が切れて痛む「口角炎」。
多くの場合は乾燥や疲れが原因ですが、もし市販薬を塗っても2週間以上治らない、あるいは何度も繰り返す場合は、単なる肌荒れではなく、体の中に隠れた病気のサインである可能性を疑うべきです。
特に、食生活の乱れによるビタミン不足や、貧血、糖尿病といった内臓の病気が、体の抵抗力を落とし、口角炎という形でSOSを発していることがあります。
「たかが口角炎」と放置は危険!体からのSOSサインを見逃さないで
「口角が切れただけ」と軽く考え、放置してしまうのは非常に危険です。
栄養状態や、免疫状態の異常が皮膚や粘膜に現れることもあるとも言われるように、体内の健康状態が最初に現れやすい場所だからです。
治りにくい口角炎は、
- 体に必要な栄養素が足りていませんよ
- 免疫力が落ちて、菌と戦う力が弱っていますよ
- 内臓のどこかで、なにか問題が起きていますよ
という、体からの重要なSOSサインなのです。
このサインを見逃さず、原因を正しく突き止めて対処することが、ご自身の健康を守る上で非常に重要になります。
【セルフチェック】こんな症状があれば要注意!受診を検討すべき危険なサイン
あなたの口角炎は、セルフケアで様子を見てよいものか、それとも医療機関を受診すべきか。
まずは以下の項目でセルフチェックをしてみましょう。
・市販薬を使っても、2週間以上治らない
・一度治っても、すぐに同じ場所がまた切れるのを繰り返す
・口角だけでなく、唇全体や口の中にまで炎症が広がっている
・亀裂が深く、出血や強い痛みを伴う
・口角炎以外に、めまい、立ちくらみ、全身の倦怠感、発熱などの症状がある
1つでも当てはまる項目があれば、自己判断でケアを続けるのではなく、一度、皮膚科や内科などの専門医に相談することを強くお勧めします。
口角炎がサインとなる代表的な病気5選
長引く口角炎は、特定の栄養素の不足や、内臓の不調が原因となっていることがあります。
ここでは、口角炎という症状がサインとなって現れる可能性のある、代表的な5つの病気について解説します。
原因①:【最も多い】ビタミンB群の欠乏(食事の偏りなど)
治らない口角炎の原因として最も多いのが、ビタミンB群、特に「ビタミンB2」と「ビタミンB6」の欠乏です。
これらのビタミンB群は、皮膚や粘膜の健康を維持し、ターンオーバー(細胞の生まれ変わり)を正常に保つために不可欠な栄養素です。
偏った食事や無理なダイエット、アルコールの多飲などによってビタミンB群が不足すると、皮膚や粘膜が弱くなり、口角のような刺激を受けやすい部分に炎症が起きてしまうのです。
この場合は、皮膚科などでビタミン剤を処方してもらうと共に、レバー、うなぎ、卵、納豆といったビタミンB群を多く含む食品を、日々の食事に積極的に取り入れることが改善の鍵となります。
原因②:鉄欠乏性貧血(めまい・立ちくらみも伴う場合)
「口角炎が治らない」「疲れやすい」「めまいや立ちくらみがする」といった症状が同時に現れている場合、鉄欠乏性貧血の可能性があります。
貧血になると、体の隅々まで酸素を運ぶヘモグロビンが不足し、皮膚や粘膜の細胞に十分な酸素が供給されなくなります。
その結果、皮膚の再生能力が落ち、口角などのデリケートな部分が荒れやすくなってしまうのです。
特に女性は、月経によって鉄分が失われやすいため、注意が必要です。
この場合は、内科などを受診し、血液検査を受けることが重要です。鉄剤の処方を受けるとともに、赤身の肉や魚、ほうれん草、あさりなど、鉄分を多く含む食品を意識して摂取しましょう。
原因③:糖尿病(免疫力が低下し、カンジダ菌が増殖)
糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、体全体の免疫力が低下し、様々な感染症にかかりやすくなります。
その一つが、口腔内の常在菌である「カンジダ菌」の異常増殖による口角炎です。
カンジダ菌はカビの一種で、健康な状態では問題を起こしません。
しかし、糖尿病によって免疫力が低下したり、唾液の分泌が減って口の中が乾燥したりすると、カンジダ菌が異常に増殖し、口角に白い苔のようなものが付着する、治りにくい口角炎を引き起こすことがあります。
口角炎のほかに、「喉が異常に渇く」「頻尿」「体重が急に減少した」などの症状があれば、糖尿病のサインかもしれません。速やかに内科を受診してください。
原因④:胃腸障害(胃炎・胃潰瘍などによる栄養吸収の阻害)
胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎などの胃腸障害があると、口角炎ができやすくなることがあります。
これは主に栄養素の吸収阻害が理由と考えられます。
胃腸の機能が低下すると、食事から摂ったビタミンやミネラルなどの栄養素が、体内にうまく吸収されなくなります。
その結果、ビタミンB群などが欠乏し、口角炎を引き起こします。
口角炎とともに、胃もたれや胸やけ、食欲不振などの症状が続く場合は、消化器内科で一度相談してみることをお勧めします。
原因⑤:免疫不全を引き起こす病気(HIV感染症など)
頻度は非常に稀ですが、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症など、免疫機能そのものが著しく低下する病気の初期症状として、治りにくい口角炎や口腔カンジダ症が現れることがあります。
HIVに感染すると、体を感染症から守る免疫細胞が破壊され、健康な人ではかからないような様々な感染症(日和見感染症)にかかりやすくなります。
その一つとして、口腔内のカンジダ菌が異常増殖し、口角炎や口の中に白い苔のようなものが広がる症状が出ることが報告されています。
原因不明の口角炎に加え、長引く発熱や倦怠感、急激な体重減少など、気になる症状が複数ある場合は、ためらわずに専門の医療機関を受診し、検査を受けることが重要です。
すべてが病気ではない!口角炎の一般的な原因
治らない口角炎には病気のサインが隠れている可能性がある一方、多くの場合は、より身近な原因によって引き起こされます。
内臓の病気などを心配する前に、まずはご自身の生活習慣や環境に、口角炎を招く要因がないかを確認してみましょう。
原因①:カンジダ菌などの「感染」
口角炎の直接的な引き金として多いのが、カビの一種である「カンジダ菌」や、黄色ブドウ球菌などの細菌による「感染」です。
これらの菌は、健康な人の皮膚や口の中にも常に存在している「常在菌」ですが、普段は体の免疫力によって、その活動が抑えられています。
しかし、後述する免疫力の低下などが原因で、これらの菌が異常に増殖すると、皮膚に炎症を起こし、口角炎を発症します。
特にカンジダ菌が原因の場合、口角に白い苔のようなものが付着したり、皮膚が赤くただれたりといった特徴が見られます。
この場合は、抗真菌薬の塗り薬などによる治療が必要となります。
原因②:唾液や乾燥、マスクの擦れによる「物理的な刺激」
口角は、皮膚が薄く、常に動きにさらされている非常にデリケートな部分です。
そのため、日常的な些細な「物理的な刺激」が積み重なることで、炎症を起こしやすくなります。
- 唾液の付着
- 乾燥
- マスクの着用
- 入れ歯や矯正装置
唇をなめる癖があると、唾液の消化酵素が口角を刺激し、さらに唾液が蒸発する際に唇の水分を奪って乾燥を招きます。
空気が乾燥する冬場や、エアコンの効いた室内では、唇や口角の水分が失われ、バリア機能が低下して切れやすくなります。
長時間のマスク着用は、マスク内の湿度で皮膚がふやけたり、着脱時の摩擦で口角が擦れたりすることで、大きな負担となります。
サイズが合っていない入れ歯や矯正装置が、口角に慢性的な刺激を与えているケースもあります。
これらの刺激から口角を守るため、ワセリンやリップクリームなどでこまめに保湿することが大切です。
原因③:ストレスや疲労による「免疫力の低下」の可能性
過度なストレスや身体的な疲労は、体の「免疫力」を低下させ、口角炎の大きな引き金となります。
私たちの体は、免疫システムによって、外部からの細菌やウイルス、そして体内の常在菌の活動から守られています。
しかし、強いストレスを受けたり、睡眠不足が続いたりすると、この免疫システムが正常に機能しなくなり、体の抵抗力が落ちてしまいます。
その結果、普段なら問題にならないようなカンジダ菌が増殖したり、些細な刺激からでも炎症が起きやすくなったりして、口角炎を発症するのです。
「大きな仕事が終わってホッとした時」や「季節の変わり目で体調を崩しやすい時」などに口角炎ができやすいのは、この免疫力の低下が大きく関係しています。
治らない口角炎、病院は何科を受診すればいい?
「この治らない口角炎、一体どこで診てもらえばいいの?」と、受診先に迷う方は少なくありません。
口角炎の原因は多岐にわたるため、ご自身の症状や、他に気になる体の不調があるかによって、相談すべき診療科が異なります。
ここでは、症状に合わせた適切な受診先を解説します。
まずは「皮膚科」への受診が基本
口角炎の症状だけで、他に特に気になる体の不調がない場合は、まず「皮膚科」を受診するのが基本です。
口角炎は、皮膚に起きる炎症(皮膚炎)の一種です。
皮膚科の専門医は、患部の状態を診て、それがカンジダ菌などの感染によるものか、あるいは単純な刺激や乾燥によるものかを的確に診断し、症状に合った塗り薬(抗真菌薬、ステロイド、保湿剤など)を処方してくれます。
何科に行けばよいか迷ったら、まずは皮膚科で相談してみると良いでしょう。
そこで内科的な病気が疑われると判断されれば、適切な医療機関を紹介してもらえます。
入れ歯の不具合などが考えられる場合は「歯科」へ
「入れ歯を使い始めてから、口角炎が起きるようになった」「歯の矯正装置が当たって痛い」など、お口の中に原因があると考えられる場合は、「歯科」や「口腔外科」への相談が適しています。
特に、サイズの合っていない入れ歯を使用していると、口角が下がり、唾液が溜まりやすい環境が作られてしまいます。
この唾液の刺激によって、カンジダ菌が増殖し、口角炎を引き起こすケースは非常に多く見られます。
歯科医院では、入れ歯の調整や、口腔内の清掃指導、カンジダ菌に対する薬の処方など、口腔環境全体からのアプローチで治療を行ってくれます。
全身の倦怠感や他の症状もあるなら「内科」も検討
長引く口角炎に加えて、「ひどい疲れがとれない」「めまいや立ちくらみがする」「喉が異常に渇く」といった全身症状がある場合は、「内科」の受診を検討してください。
これらの症状は、これまで解説してきたように、鉄欠乏性貧血や糖尿病、胃腸障害といった、内臓の病気が隠れているサインである可能性があります。
内科では、血液検査などによって、口角炎の背景にある全身疾患の有無を調べることができます。
皮膚科で治療をしても口角炎がなかなか改善しないという場合も、一度、内科的な観点から体をチェックしてもらうと、思わぬ原因が見つかるかもしれません。
口角炎と病気のサインに関するよくある質問
ここでは、口角炎とそれが示す可能性のある病気のサインについて、多くの方が抱くさらに細かい疑問にQ&A形式でお答えします。
Q. 口角炎と口唇ヘルペスの違いは何ですか?
A. 最も大きな違いは「原因」と「症状の出方」です。口唇ヘルペスはウイルスが原因で、小さな水ぶくれができるのが特徴です。
口角炎と口唇ヘルペスは、できる場所が近いため混同されやすいですが、全く異なる病気です。
項目 | 口角炎 | 口唇ヘルペス |
原因 | 細菌・カンジダ菌、乾燥、栄養不足など | ヘルペスウイルスの感染 |
主な症状 | 亀裂、赤み、かさぶた(水ぶくれはできない) | 小さな水ぶくれの集まり、チクチク・ピリピリとした痛み |
できる場所 | 口角 | 唇とその周り(口角にできることも) |
感染性 | 細菌感染以外はうつらない | ウイルスが含まれる水ぶくれに触れるとうつる |
自己判断でヘルペスに口角炎の薬を塗っても効果がないばかりか、悪化させる可能性もあります。水ぶくれができている場合は、必ず皮膚科を受診してください。
Q. 市販のリップクリームを塗ってもなかなか治らないのはなぜですか?
A. リップクリームは「保湿」が目的であり、「治療」を目的としていないためです。また、原因が乾燥以外にある可能性が考えられます。
一般的なリップクリームの役割は、唇に油分の膜を張って水分の蒸発を防ぎ、乾燥から保護することです。
すでに起きてしまった炎症を抑えたり、原因となっている細菌やカンジダ菌を殺菌したりする効果は含まれていません。
もし保湿をしても一向に改善しない場合は、
- 原因がカンジダ菌などの「感染」である
- ビタミン不足など、体の「内側」に問題がある
といった可能性が考えられます。
炎症を抑える成分が含まれた医薬品の軟膏に切り替えるか、医療機関を受診することをお勧めします。
Q. 亜鉛不足も口角炎の原因になりますか?
A. はい、亜鉛不足も口角炎の引き金になる可能性があります。
亜鉛は、タンパク質の合成や細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)に不可欠なミネラルです。
そのため、亜鉛が不足すると、皮膚や粘膜の新陳代謝が滞り、傷が治りにくくなったり、肌荒れや口角炎が起きやすくなったりします。
また、亜鉛は免疫機能の維持にも重要な役割を果たしており、不足すると免疫力が低下して感染症にかかりやすくなります。
口角炎が長引く場合は、ビタミンB群と合わせて、牡蠣やレバー、牛肉といった亜鉛を多く含む食品を意識して摂取するのも良いでしょう。
Q. 口角炎は何日くらいで治るのが普通ですか?
A. 適切なケアを行えば、通常は数日~2週間程度で改善に向かいます。
原因や症状の重さにもよりますが、一般的な口角炎であれば、保湿や市販薬の使用、生活習慣の見直しなど、適切なセルフケアを行うことで、1週間程度で快方に向かうことがほとんどです。
もし、セルフケアを続けても2週間以上全く改善しない、あるいは悪化している場合は、何か他の原因(病気のサインなど)が隠れている可能性があります。
その場合は、様子を見続けるのではなく、医療機関を受診する明確な目安と考えてください。
Q. 子供の口角炎も、何か病気のサインなのでしょうか?
A. 子供の口角炎の多くは、よだれや食べこぼしによる刺激が原因ですが、栄養不足のサインであることも考えられます。
子供、特に乳幼児は、よだれの量が多く、食事の際に食べこぼしも多いため、口の周りが常に湿った状態になりがちです。
この唾液の刺激によって皮膚のバリア機能が低下し、口角炎が起きやすくなります。
こまめに口周りを拭き、ワセリンなどで保湿してあげるのが基本のケアです。
ただし、好き嫌いが多く、食事が偏りがちな子供の場合、大人と同様にビタミンB群などの栄養不足が原因となっていることもあります。
長引く場合や、何度も繰り返す場合は、かかりつけの小児科や皮膚科で相談してみましょう。
まとめ:長引く口角炎は体からのメッセージ・専門家に相談を
この記事では、治らない口角炎がサインとなる可能性のある病気や、その原因、そして受診すべき診療科について解説してきました。
唇の端が切れるという小さな症状ですが、その背景には、「栄養が足りていないよ」「免疫が落ちているよ」といった、体からの重要なメッセージが隠れていることがあります。
「たかが口角炎」と軽視せず、ご自身の体と向き合うきっかけとしてください。そして、少しでも不安があれば、どうか一人で抱え込まず、専門家に相談する勇気を持ってください。
口角炎を予防するために今日からできること
つらい口角炎を繰り返さないためには、日々の生活の中で予防を意識することが何よりも大切です。
今日から始められる、具体的な予防策をご紹介します。
- バランスの取れた食事を心がける
- 唇と口角の保湿を徹底する
- 十分な睡眠とストレス管理
- 口腔内を清潔に保つ
皮膚や粘膜の健康を保つビタミンB群(レバー、卵、納豆など)や、鉄分(赤身肉、ほうれん草など)を意識的に食事に取り入れましょう。
リップクリームやワセリンをこまめに塗り、唇の乾燥を防ぎましょう。唇をなめる癖は、乾燥を助長するため、意識してやめるようにします。
体の免疫力を高く保つため、質の良い睡眠をとり、自分なりのストレス解消法を見つけることが改善につながるかもしれません。
毎日の丁寧な歯磨きはもちろん、入れ歯を使用している方は、入れ歯自体も清潔に保つことを心がけましょう。
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