ストレスで歯がしみるのはなぜ?原因・症状から自分でできる対策、歯科医院での治療まで徹底解説

歯がしみる ストレス

現代のストレス社会を生きる私たち。

「最近、歯がしみるように感じる…もしかして虫歯かな?」と不安に思っている方は、もしかするとストレスが原因の知覚過敏かもしれません。

本記事では、歯がしみる症状について、原因や日常的な対策、歯科医院での専門的な治療法まで解説します。

歯がしみる悩みを早めに解消できるよう、参考にしてください。

ストレスが原因で起こる歯がしみる症状の特徴

歯がしみる症状を引き起こす原因として、ストレスが挙げられます。

脳と体は密接につながっているため、ストレスが口の中の健康に影響を与える場合もあるのです。

ストレスによる歯の痛みやしみる症状には、いくつかの特徴が見られます。

例えば、特定の歯に限らず、複数の歯や広い範囲でしみることがあります。

また、精神的なストレスを感じている時や、疲れている時など、体のコンディションが良くない時に強くしみる感じがするのも特徴です。

仕事でプレッシャーを感じている時、人間関係で悩んでいる時、睡眠不足が続いている時などに、しみる症状が強く現れる場合があります。

ストレス以外にも。歯がしみる他の原因

歯がしみる原因はストレス以外にも多くあり、知覚過敏や虫歯、歯周病などが考えられます。

原因を特定するには、自分の症状(どの場所がしみるか、どのタイミングでしみるか)をよく観察する必要があります。

さらに、定期的に歯科検診を受ければ、早期発見・早期治療につながります。

知覚過敏(ちかくかびん)

知覚過敏(ちかくかびん)は、歯の表面のエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がって象牙質(ぞうげしつ)が露出したりすることで発症します。

歯の象牙質には、刺激を神経に伝える微小な穴(象牙細管)がたくさん通っています。よって、冷たい・熱い飲み物や食べ物が触れると、歯がしみる症状が現れます。

知覚過敏の症状は一時的なものが多いですが、放置すると悪化する可能性も。

症状を改善するために、知覚過敏専用の歯磨き粉の使用や、歯科医院での専門的な処置を行うのをおすすめします。

虫歯

虫歯は、歯に付いた細菌(虫歯菌)が糖分を分解する際につくり出す酸により、歯が溶かされる病気です。

虫歯が歯の奥の象牙質まで進行すると、冷たいものや甘いものがしみるようになり、さらに神経まで達するとズキズキとした強い痛みを感じます。

虫歯の進行度によって治療法も異なるため、早期発見・早期治療が望ましいでしょう。

しかし、初期の虫歯では自覚症状がないことが多いため、早期発見には定期的な歯科検診が欠かせません。

虫歯を放置すると、歯の神経を除去する根管治療(こんかんちりょう:歯の内部の神経や血管を取り除く治療)や、最悪の場合には抜歯が必要になることもあります。

歯周病

歯周病は、細菌感染によって、歯茎や歯を支える骨が炎症を起こす病気です。

歯周病の初期には痛みがほとんどなく、自覚症状が出にくいのが特徴。日本人の約80%が歯周病といわれています。

歯周病が進行すると、歯茎が赤く腫れたり、出血したり、口臭が強くなったりします。

さらに歯茎が下がって歯の根元が露出すると、冷たいものがしみる症状が現れることがあります。

歯周病の進行状態を判断するには、歯周ポケット(歯と歯肉の境の溝)の深さの測定や、出血有無の確認、骨が溶けて歯が動いていないかの検査を行います。

歯周病の早期発見にも、定期的な歯科検診が重要なのです。

オーバーブラッシング(歯の磨きすぎ)

強い力での歯磨きや硬すぎる歯ブラシの使用を、オーバーブラッシングとよびます。

オーバーブラッシングが続くと、エナメル質を摩耗させ歯茎が縮んでしまい、歯がしみる原因となる可能性があります。

歯をしっかり磨くことは大切ですが、不適切な磨き方だと逆効果になり得るのです。

「かため」の歯ブラシを使用したり、同じ場所を数分長時間強い力で磨いたりすると、歯の表面が徐々に削れていきます。

歯が削れ続けた結果、象牙質(ぞうげしつ)が露出し、冷たいものや熱いものが触れると鋭い痛みを感じる知覚過敏(ちかくかびん)の症状が現れます。

健康な歯茎はピンク色でハリがありますが、オーバーブラッシングが続くと、赤くなったり腫れたりすることがあります。

酸蝕症(さんしょくしょう)

酸蝕症(さんしょくしょう)、酸性の飲食物や胃酸によって歯のエナメル質が溶けてしまう疾患です。

虫歯とは異なる病気で、日本人の4人に1人が罹患していると言われています。

酸蝕症の症状

・歯が透き通る

・歯が丸みを帯びる

・歯がへこむ

・歯が変色する

・冷たいものが歯にしみやすくなる

・歯の詰め物が取れやすくなる


酸蝕症になりやすいのは、炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘系のジュース、お酢、ワインなどを長期間摂取する人。

また、逆流性食道炎などで嘔吐することが多いと、胃酸が食道から逆流するため歯が酸にさらされやすくなり、酸蝕症になり得ます。

詰め物や被せ物の劣化や不具合

詰め物や被せ物に劣化や不具合が起こると、歯と人工物の隙間から冷たいものや熱いものなどの刺激が直接歯の神経に伝わるため、歯にしみるような痛みを感じます。

詰め物や被せ物などの人工物は経年劣化するため、歯との間に隙間ができたり外れたりすることがあります。

特に銀歯など金属製の人工物は、3-5年以上使用すると劣化が進みます。

また、歯ぎしりや食いしばりが強い方は、詰め物や被せ物に過度な負担をかけるため、不具合が生じやすいと言えるでしょう。

歯と人工物の間に虫歯ができる場合もあるため、詰め物や被せ物をしている歯に違和感や痛みを感じた場合は早めに歯科医院を受診してください。

歯がしみる症状を予防・改善!自宅でできる対策

ストレスなどを原因とする歯がしみる症状は、ストレスマネジメントや歯のケアにより、予防・改善できます。

この章では、歯がしみる症状への対策や予防法を紹介します。

睡眠・運動など基本的なストレスケアを

歯がしみる症状の一因となるストレスを軽減するための、一般的な方法を押さえておきましょう。

まず大切なのは質の高い睡眠です。

十分に睡眠をとり、心身を十分に休ませることは、基本的なストレス対策です。

さらに、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、アロマを焚く、音楽を聴くなどのリラックス方法を試すと、よく眠れる場合があります。自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。

良質な睡眠は、深部温度の差によってできます。入浴後、部屋の温度を冷やしておくと効果的です。

また、寝る前はスマートフォンやテレビなどのブルーライトは控え、部屋の暗さを暗めにしましょう。

さらに、ウォーキングやジョギング、ヨガなどの適度な運動は、心身をリフレッシュでき、ストレス解消につながります。

日々の生活では、趣味に没頭する時間を作ったり、友人や家族と楽しい時間を過ごしたりすることも重要です。

ストレスの原因が明確な場合は、可能な範囲でその原因から距離を置くよう心がけましょう。

自分でストレスをコントロールすることが難しい場合は、心療内科医や精神科医などの専門家のサポートを受けるのも重要です。

歯ぎしり・食いしばりをコントロール

脳には、食いしばることでストレスを発散させるメカニズムがあります。そして、歯に不要な力がかかる歯ぎしりや食いしばりは、歯がしみる原因となるのです。

日中は意識的に肩や首の力を抜き、顔の筋肉をリラックスさせる習慣をつけましょう。

特にパソコン作業中など、長時間同じ姿勢でいる場合は、定期的に休憩を挟み、ストレッチなどで体をほぐしましょう。

また、無意識に歯を食いしばっていることに気づいたら、上下の歯が軽く離れるよう意識してください。

日中は意識して食いしばりをしないようにしていても、睡眠中にはストレスを食いしばりで発散させてしまうことも。

そんな就寝中の歯ぎしりや食いしばりには、歯科医院で作成してもらうマウスピースの使用が効果的です。

マウスピースは日本の歯科医院で約3,000円~7,000円程度で作成できます。睡眠中に歯にかかる力を分散させ、歯の摩耗や顎への負担を軽減する効果が期待できます。

歯ぎしりや食いしばりのクセがなかなか治らない場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。

知覚過敏用の歯ブラシや歯磨き粉で正しく歯を磨く

知覚過敏(ちかくかびん)の症状がある場合、専用の歯ブラシや歯磨き粉を使用することで症状を緩和できる場合があります。

歯ブラシは毛先が柔らかいソフトタイプがおすすめ。硬い歯ブラシは歯や歯茎に悪影響を与え、知覚過敏を悪化させる可能性があります。

歯磨きの際は力を入れすぎず、歯と歯茎の境目に45度の角度で歯ブラシを当て、優しく小刻みに1歯ずつ磨くのが効果的です。

フッ素入りの歯磨き粉や洗口液は、歯の再石灰化を促進し、エナメル質を強化する効果が期待できます。

特にフッ素は象牙細管を塞ぎ、知覚過敏の原因となる刺激から歯を守るのに役立ちます。

食後の習慣を見直す

歯がしみる原因となる酸蝕症を予防するには、食事の後の習慣や食事の内容を見直すと良いでしょう。

酸性飲食物の摂取後は、すぐに歯磨きをせず30分程度時間を空けることが重要です。

酸性の飲食物(炭酸飲料、柑橘系ジュース、ワインなど)を摂取すると、歯のエナメル質が一時的に軟化します。

この状態ですぐに歯磨きをすると、柔らかくなったエナメル質を傷つけてしまう可能性があるのです。

意外にも、ケチャップやマヨネーズなどの調味料、ヨーグルトなどの乳製品も酸性度が高いため注意しましょう。

酸性飲食物を摂取した後は、すぐに水で口をすすぐことでpH値を中和できます

また、キシリトールガムを噛むことで唾液の分泌が促進され、口腔内の自浄作用が高まる効果が期待できます。食事の最後にチーズなどのアルカリ性食品を摂るのも効果的です。

よく噛んで食べることも大切。よく噛むと唾液が十分に分泌され、酸を中和します。

定期的に歯科医師による検診を受け、エナメル質の状態をチェックするとさらに安心です。

歯がしみる場合に歯科医院で受けられる処置

自分で対策しても歯がしみる症状が改善しない場合や、症状がひどい場合は、迷わず歯科医院を受診しましょう。

歯科医師が実際に歯の状態を見て、症状に合わせた治療法や、生活習慣へのアドバイスをしてくれます。

ここでは、歯がしみる場合に歯科医院で受けられる処置を紹介します。

歯の視診や検査による専門的な診断

歯科医院では、歯のエキスパートである歯科医師が口の中を実際に見ることにより、歯がしみる根本的な原因を探ります。

必要に応じて、歯の状態だけでなく、生活習慣やストレスの状況などのヒアリングも丁寧に実施してくれるので安心です。

場合によってはレントゲン検査やCT検査を行い、歯や顎の状態を観察します。

検査や問診で得た情報を総合的に分析することで、歯科医師が必要な治療や対応を提案します。

しみる箇所への薬の塗布やコーティング

歯科医院では、知覚過敏が起きている歯に、歯がしみないようにする薬を塗布してくれます。

露出した象牙質の表面に、専用の薬液を塗布することで、しみる症状を軽減します。ただし、効果は長期間は続きません。

他にも、特殊な樹脂で歯をコーティングして、外部からの刺激を遮断する処置を行う場合も。

また、レーザー治療によって象牙細管を封鎖し、知覚過敏の症状を緩和する施術もあります。

マウスピースによる歯ぎしり・食いしばり対策

ストレスによる歯ぎしりや食いしばりが原因と考えられる場合、歯型に合わせたマウスピースによって食いしばりを抑える対応が一般的です。

就寝時にマウスピースを装着すると、食いしばりで歯や顎にかかる負担を軽減し、歯の摩耗や損傷を防ぎます。

また、歯の噛み合わせに問題がある場合は、噛み合わせを調整する歯列矯正などの治療を選択できます。

歯への不均等な負担を減らし、食いしばりぐせの改善を期待できるでしょう。

歯周病治療による根本的な改善

歯科医院で歯周病の治療を受けることで、知覚過敏の改善を期待できます。

歯周病の治療では一般的に、歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを行い、歯石や歯垢を除去します。

その後、正しい歯磨きの方法などの指導があるため、歯科医の指示通りに歯をケアしながら経過観察することが重要です。

歯科医院で定期的にメンテナンスすることで、歯周病の進行を防ぎ、健康な歯茎を維持できます。

必要に応じたカウンセリングや専門機関への紹介

大きなストレスを感じていることを自覚している場合、歯科医師からストレスケアについてアドバイスを受けたり、必要に応じて心療内科などの専門機関を紹介してもらったりすることも可能です。

歯がしみる症状を改善するためには、心と体の両面からケアを行うことが重要です。

歯がしみる症状とストレスに関してよくある質問

歯がしみる症状とストレスについて、よくある疑問とその回答をまとめました。

ストレスが原因で歯がしみる場合、どんな症状が出ますか?

ストレスが原因である場合、特定の歯だけでなく、複数の歯や広範囲にわたってしみを感じることが特徴です。

また、精神的なストレスを感じるタイミングで症状が悪化しやすいと言われます。例えば、仕事でプレッシャーを感じている時や、睡眠不足の時に症状が強く現れることがあります。

ストレスで歯がしみる場合、何科を受診すれば良いですか?

まず、歯科医院を受診しましょう。歯科医師は、歯や歯茎の状態を診察して歯がしみる原因を検討し、適切な治療法やセルフケアの方法を提案してくれます。

ストレスが原因と考えられる場合、歯科医師からアドバイスを受けたり、必要に応じて他の医療機関を紹介してもらったりすることも可能です。

歯科医院では、歯がしみる原因をどのように調べますか?

歯科医院では、問診、視診、触診に加え、レントゲン撮影や歯周病検査などを行い原因を特定します。例えば、温度診では、冷温刺激への反応を確認し、知覚過敏や虫歯などの診査を行います。

これらの検査結果から総合的に診断を行った後に判断し、最適な治療法を提案する流れです。

まとめ

歯がしみる症状は、ストレスが原因で発症することもあります。日々のストレスを適切に管理し、口の中を正しくケアすることで、症状の改善や予防もできるでしょう。

歯がしみる症状が続く場合、自己判断せずに歯科医院を受診することをおすすめします。

健康な歯を長く保つためには、早期対応が大切です。

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