念願のホワイトニングで歯が白くなり、嬉しい気持ちも束の間。
施術後はカレーもコーヒーも赤ワインもダメと言われ、この食事制限を一体いつまで続ければいいのか、不安やストレスを感じていませんか。
せっかく白くした歯が、食事のせいで元に戻ってしまったら困りますよね。何なら食べていいのか迷ってしまいます。
ホワイトニング後の食事制限が最も重要なのは、施術後24時間から48時間です。この間は、歯が非常に着色しやすいデリケートな状態になっています。
本記事では、歯科専門家の視点でホワイトニング後の食事制限について解説します。
- 食事制限が必要な理由
- オフィスホワイトニングとホームホワイトニングでの食事制限期間の違い
- 避けるべき食品と食べてよい食品のリスト
▶関連記事:ホワイトニングの仕組みとは?歯が白くなる理由と種類を徹底解説
ホワイトニング後24時間〜48時間は食事制限すべき
歯科医院で行うオフィスホワイトニングの場合、施術後24時間(丸1日)は食事制限期間としましょう。可能であれば48時間(丸2日)は、色の濃いものの摂取を避けるのが理想的とされています。
一方、自宅で行うホームホワイトニングの場合は、施術期間全体で食事に気を遣う必要があります。
本項では、ホワイトニング直後の食事制限について、より詳しく解説します。
歯を守る「ペリクル」が再生するまでは食事制限が必要
食事制限が必要な理由は、歯の表面を保護している「ペリクル」という薄いタンパク質の膜が、ホワイトニングの薬剤によって一時的に剥がれてしまうからです。
ペリクルが剥がれた歯は、いわば裸の状態です。外部からの刺激に敏感で、普段よりもはるかに着色しやすいデリケートな状態になっています。
唾液の作用によってペリクルが再生するまでに、約24時間から48時間かかります。ぺクリルによるバリア機能が低下している期間こそが、食事制限すべき期間なのです。
オフィスホワイトニング:施術直後の24時間が勝負
歯科医院で行うオフィスホワイトニングの場合、施術直後の24時間から48時間は最も着色リスクが高い時間です。
オフィスホワイトニングでは、高濃度の薬剤を使用して短時間で歯を白くします。
薬剤の効果が強い分、歯の表面のペリクルも一気に剥がれ、歯は水分を失った乾燥状態になります。
この状態は、スポンジが水を吸い込むようにあらゆる色素を吸収しやすい状態です。
この期間中に色の濃いものを口にすると、ホワイトニングの効果が半減するばかりか、施術前よりも色が濃く入ってしまう可能性があります。
ホームホワイトニング:施術期間中は常に注意が必要
自宅でマウスピースを使って行うホームホワイトニングでは、施術期間中は常に着色に注意する必要があります。
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングよりも低濃度の薬剤を使用するため、着色のリスクは比較的低いです。
しかし、ホームホワイトニングでは毎日数時間薬剤に歯を浸すため、ペリクルが剥がれては再生するというサイクルを繰り返すことになります。
特にマウスピースを外した直後の30分から1時間は、歯が薬剤の影響を受けているため、着色物がある飲食物の摂取は避けるようにしましょう。
【NGリスト】食事制限中に避けるべき食べ物・飲み物
ホワイトニング後のデリケートな歯を守るため、歯が着色しやすくなっている期間中には、色の濃いものと酸性の強いものは避けるべきです。
歯の表面への着色や歯にダメージを与える原因となるためです。
ここでは、ホワイトニング後に具体的に避けるべき飲食物をリストアップして解説します。
食べてよいか迷った時は、「白い服にこぼすとシミになるものは避ける」と覚えておくと分かりやすいです。
色の濃い飲み物
以下の飲み物は、ポリフェノールやタンニンなどの着色成分を非常に多く含んでいます。
日常的に飲む習慣がある人も多いかもしれませんが、施術後の歯は色素を吸収しやすいため、ホワイトニング期間中は我慢しましょう。
色の濃い食べ物
食事のメニューも、以下のような色素が濃いものは避ける必要があります。
特にカレーやミートソースは、スパイスや色素が強力な着色源となるため注意しましょう。
酸性の強い食品
酸性の食品は、一時的に歯の表面に悪影響を与え、知覚過敏を誘発したり着色しやすい状態を作ったりする可能性があります。
酸性の強い食品は、ホワイトニング効果を高めるためだけでなく、歯をダメージから守るためにも控えると良いでしょう。
調味料・その他
食材そのものが白くても油断せず、使う調味料にも注意を払いましょう。
また、喫煙習慣はホワイトニングの効果を著しく低下させます。タバコに含まれるヤニ(タール)は、歯に強力に付着する着色汚れの代表です。
ホワイトニング効果を無駄にしないために、最低でも施術後24時間は禁煙しましょう。
【OKリスト】ホワイトニング後の食事制限中でも食べてよいもの
ホワイトニング後の食事制限中も、色が白く酸性でない食べ物なら食べても問題ありません。
食べられるものは意外とたくさんあります。ここでは、食事制限中でも安心して食べられるものを具体的にリストアップします。
ストレスを溜めすぎないよう、食べられるものを賢く選んで乗り切りましょう。
色素のない飲み物
施術後の飲み物としては、基本的に水や牛乳が推奨されます。色素を含まず、歯への刺激もない飲み物です。
お茶が飲みたい場合、麦茶や緑茶などの色の濃いお茶ではなく、色素の薄いカモミールティーなどのハーブティーを選びましょう。
アルコールが飲みたい場合、白ワインや焼酎(水割りなど)であれば、着色の心配は少ないです。ただし、白ワインは酸性が強いため、飲んだ後は水で口をゆすぐことをおすすめします。
色の白い食べ物
主食やおかずに選ぶ食べ物は、色の白いものにしましょう。調理法は、塩、こしょう、ホワイトソース、クリーム煮が中心となります。調味料の色にも注意が必要です。
麺類では、醤油ラーメンや味噌ラーメン、ミートソースのパスタなどはNGです。
おやつには、色のあるチョコレートやあんこは避け、バニラアイスやプリン、薄味のポテトチップスなどを選びましょう。
食事制限を乗り切るコツと、うっかり食べてしまった時の対処法
施術後の24時間から48時間の食事制限はストレスに感じるかもしれません。
しかし、過度に神経質になる必要はありません。食事制限時にストレスを軽減するコツや、色の濃いものをつい食べてしまった場合の対処法があるので安心してください。
ここでは、食事制限期間を乗り切るためのコツをご紹介します。
色の濃い飲み物を飲みたい時はストローを使う
コーヒーや紅茶など、色の濃い飲み物がどうしても飲みたい時は、ストローを使って飲むことをおすすめします。
ストローを使うことで、着色しやすい歯の表面(特に前歯)に飲み物が触れるのを抑え、喉の奥へ流し込めるからです。
ただし、ストローを使っても飲み物が全く歯に触れないわけではないため、飲んだ後は水で口をすすいでください。
食事の前に水を飲む
食事の前にコップ一杯の水を飲むことも、着色を予防するコツです。
あらかじめ歯の表面を水で湿らせておくことで、色素が歯に付着するのをわずかに防ぐコーティングのような役割を期待できるからです。
食べる前に水を一口含んだり、食事中や食後にこまめに水を飲んだりすることで、色素を洗い流す効果も期待できます。
着色しやすいものを口にしたらすぐに水で口をすすぐ
「食事制限中であることを忘れてうっかりコーヒーを一口飲んでしまった!」そんな時でも慌てる必要はありません。
すぐに水で口をすすぎましょう。色素が歯の内部に浸透する前であれば、表面の色素を洗い流すことで着色の影響を最小限に抑えられます。
歯磨きができればさらに理想的ですが、水で強くブクブクうがいをするだけでも効果があります。
「もうダメだ」と諦めず、すぐに対処しましょう。
食事制限が終わった後も白さを長持ちさせる習慣
ホワイトニングの効果は永久ではありません。
食事制限期間が終わった後、日々の生活習慣によって、歯の色は少しずつ後戻りしていきます。
結論として、白い歯を長く維持するためには毎日のケア習慣を見直すことが不可欠です。なぜなら、着色の原因は日々の食事や習慣の積み重ねにあるからです。
ここでは、ホワイトニング後の色戻りを防ぎ、理想の白さをキープするための3つの習慣を紹介します。
色の濃いものを食べたら歯磨き・うがいを徹底
最も基本的かつ重要なのは、着色汚れ(ステイン)を歯に定着させないことです。
色の濃い食事をした後は、できるだけ早く歯磨きをしましょう。色素が歯の表面に留まる時間を短くすることで、着色リスクを大幅に減らせます。
外出先ですぐに歯磨きができない場合は、水で口をゆすぐだけでも効果があります。
口の中に残った色素を洗い流す習慣をつけることが、白さを守る第一歩です。
着色を防ぐ歯磨き粉(研磨剤不使用)を選ぶ
毎日の歯磨きで使う歯磨き粉には、ステイン除去やホワイトニングをうたう歯磨き粉を選びましょう。
一方、研磨剤の粒子が粗いものは避けてください。研磨剤で歯の表面に細かい傷がつくと、かえってそこに色素が入り込み、着色しやすくなってしまうからです。
低研磨あるいは研磨剤不使用で、ポリリン酸ナトリウムという成分が配合されたものを選びましょう。汚れを浮かせて落としてくれる成分です。
定期的なタッチアップで白さを維持
気をつけていても、時間の経過とともに少しずつ色は戻っていきます。自然な生理現象です。
歯が真っ白な状態をキープしたい場合は、着色が気になり始めたタイミングで、追加のホワイトニング(タッチアップ)を行うのが最も確実です。
色が完全に戻りきる前にタッチアップを行えば、少ない施術回数で元の白さを取り戻せます。
美容院で髪の根元を染め直すように、ホワイトニングにも定期的なメンテナンスを取り入れましょう。
ホワイトニングの食事制限に関するよくある質問(Q&A)
ホワイトニングと食事についてのよくある質問に回答します。
Q1. 食事制限は絶対に守らないとダメですか?
A. 施術の効果を最大限に高めたいのであれば、可能な限り守ることを強くおすすめします。
食事制限を守らずに色の濃い食事をしてしまうと、せっかく白くなった歯に再び色素が入り込み、ホワイトニングの効果が半減したり、色ムラができたりする原因になるからです。
会食があるなど、食事制限がどうしても難しい事情がある場合、ホワイトニングの施術を受ける日程をあらかじめ調整するか、食事の直後に水で口をゆすぐなど対策を徹底してください。
Q2. ホワイトニング後に使う歯磨き粉に制限はありますか?
A. はい。色のついた歯磨き粉や、粒子の粗い研磨剤が入った歯磨き粉の使用は避けてください。
ホワイトニング施術後の歯は乾燥しており、歯磨き粉の色素さえも吸収してしまう可能性があります。
青や緑のストライプが入ったものや、黒い炭入りの歯磨き粉は控えましょう。真っ白なペースト状や、透明なジェルタイプの歯磨き粉が推奨されます。
また、知覚過敏用の歯磨き粉であれば、刺激が少ないため安心して使用できます。
Q3. セルフホワイトニングでも食事制限は必要?
A. セルフホワイトニングではほとんどの場合、歯科医院で行うホワイトニングに比べると厳密な制限は必要ありません。
理由は、使用する薬剤やメカニズムが異なるためです。
エステサロンなどで行うセルフホワイトニングは歯の表面の汚れを落とすことが主目的であり、ペリクルを剥がすほどの漂白作用はないのが一般的です。
ただし、セルフホワイトニングの実施直後は汚れが落ちており、歯が無防備な状態になっています。
施術後1時間程度は、色の濃い飲食物を念のため控えたほうが、歯がきれいな状態を長く保つことができるでしょう。
まとめ:最初の48時間を乗り切って理想の白い歯をキープしよう
ホワイトニング後の食事制限は、永遠に続くわけではありません。我慢が必要なのは、施術後の最初の48時間だけです。
短い食事制限期間を乗り切ることで、ホワイトニングによって手に入れた白い歯を、より長く美しく保つことができます。
食事制限中も、無理をする必要はありません。ストレスを溜めすぎないよう、この期間を賢く過ごしましょう。
- 食事制限が最も重要なのは施術後24時間から48時間
- 色の濃いものと酸性の強いものは避けるべき
- 白い食べ物を選べば、食事を我慢する必要はない
- 色の濃い飲み物はストローを使って飲み、飲んだ後は水で口をゆすぐ
- 制限期間が終わっても、ホワイトニング効果のある歯磨き粉や定期的なメンテナンスを活用すると良い
白さを維持する相談も。「歯科まもる予約」でかかりつけ医を見つけよう
ホワイトニングは一度行えば終わりではなく、白い歯を維持するためには、定期的なメンテナンスや着色汚れのクリーニングが欠かせません。
自分に合った食事制限のコツや、ライフスタイルに合わせたホワイトニング計画を提案してくれる歯科医院を見つけることも重要です。
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